
2000年の地方分権一括法によって地方分権は飛躍的に進んだとされています。 しかし、地方分権一括法の実施前と実施後で、行政の運営ががらりと変わったと、 自信を持っていえる自治体はどれだけあるでしょうか。ほとんどの自治体では、 行政運営の仕方は全く変わっていないというのが実情だと思います。
地方自治は与えられるものではありません。自治体自身で勝ちとるべきものです。 そのためには、いろいろな工夫を自治体自身でする必要があるのはもちろんですが、 場合によっては、中央省庁と対立することも必要です。このときに自治体の中心になる 力を有しているのは、議会だといえます。
2000年の地方分権一括法により、法律の解釈を自治体が自らできるように なったといわれていますが、この解釈は説明がつく解釈、言い換えれば、 みんなを納得させるような解釈でなければなりません。自治体の職員が自分たちだけで、 中央省庁と異なる解釈をすることは、その法律上の位置づけからいって、実際には 不可能に近いといえるでしょう。これに対して、議会の構成メンバーである議員は、 選挙で選ばれていますから、住民の意向に拘束されこそすれ、法律を自由に解釈する ことができます。議員が討論を重ね、議会の意思として、独自の解釈をする場合には、 誰もが納得せざるを得ません。その上、議会は自治体の意思決定機関ですから、中央省庁と十分に張り合う力を有しています。
地方自治を勝ちとるためには、この議会の力が、何よりも必要です。ところが、 現実の自治体の議会は、こうした機能をほとんど果たしていないといってよいでしょう。 その結果、住民の議会に対する関心は、議員定数の削減や政務調査費の削減など、 議会の実質的な機能の縮小に集中しているようです。しかし、これは、民主主義 という観点からみて、大きな問題です。実質的には、住民にとって大きなマイナス になるともいえるでしょう。
自治体議会政策学会は、議会が本来の機能を持つように、そして、議会が
活性化するように、議員の皆さんに、いろいろな情報を提供している機関です。
また、研究者と議員が一緒になって、議会の改革も検討しています。議員研修も
積極的に展開しています。外国の議会について知るために、時には、研究者と共に
外国に出かけ、現地の議会をみながら研修をするということもしています。現在は、
毎年、300人を超す議員の皆さんが研修に参加してくれています。皆さんも参加しませんか。
自治体議会政策学会は、自治体議員と研究者が、自治体の自立に向けて政策を深め、行政や議会の改革を進める場として1999年(平成11年)から活動してきました。
自治体の企画・政策形成や条例づくりの力量を高めることを目的として、行政改革、議会改革への意欲や提言を持つ会員で構成します。
自治政策講座・ゼミナール・研究会などの研修会など開催します。また、海外視察、自治体議会政策学会叢書、年版地方自治体新条例解説集等の出版など、広く知識の集積を図ります。
地方分権時代を担う自立した自治体となるためには、それぞれの自治体の置かれた環境の違いに応じて、自治体ごとに多様で個性豊かな地域社会の形成に向けた条例づくりや、新たな政策の展開が望まれています。
多くの自治体議員、自治体職員が、当学会に参集され、研修講座等にご参加頂き、自治体行政の研究者とともに共同した政策研究が進められますことを期待しています。