第9期自治政策講座in札幌
「 自立する地域と自治体の役割 」
参加者数:--名
参加自治体数:--自治体
開催日:2007年5月10日11日(視察オプション9日)
会 場:札幌コンベンションセンター 107・108会議室<アクセス>
国の財政危機は進行し、多くの課題は自治体に解決が求められています。一方、地方も200兆円とも言われる地方債残高と退職金問題など厳しい財政運営の中で、住民のセイフティーネットの構築が迫られています。 いま、地方自治体は、これまでの行政経営を見直し、地域経済の自立と住民自治の力で、多様な主体が自治を担う協働社会へ向かう必要があります。 北海道開拓使設置から138年の歴史の中で、幾多の困難を越え、農林水産品、観光などでは日本一の実績を持ちながら、いまも夕張市に象徴される産業構造の変化による景気の低迷と闘う北海道。この困難の中で誇り高く「自立」の実践を進める地域・自治体は少なくありません。オプションの奈井江町視察と町長の講演を始め、協働型の自治体の行政・議会のあり方を様々な側面から深めるプログラムとしました。
プログラム
5月10日(木)[ 10:00~17:00 ]
第1講義10:00~12:00
自治体議会改革の道筋
竹下 譲 (四日市大学総合政策学部教授/自治体議会政策学会会長)
東京市政調査会主任研究員、神奈川大学教授などを経て現職。1998年から自治体議会政策学会の会長として、全国の自治体議員の研修にあたる。
2004年~2005年度三重県教育委員会委員長。現在、三重県教育委員会委員、全国市議会議長会議会活性化アドバイザー。議会の仕組みを「議論」にふさわしいものにと、行政・議会改革を説く。
著書に、『イギリスの政治行政システム』(ぎょうせい)、『新版世界の地方自治制度』(イマジン出版)、『パリッシュに見る自治の機能』(イマジン出版)、『市場化テストをいかに導入するべきか-市民と行政』(公人の友社)など。
第2講義 13:00~15:00
地域自立をめざす自治基本条例、議会基本条例
神原 勝 (北海学園大学法学部教授)
(財)東京都政調査会研究員、(財)地方自治総合研究所研究員、1988年から北海道大学教授を経て、2005年から現職、北海道大学名誉教授。地方自治論を専攻。
神原試案とよばれる『自治基本条例』のモデルを示し、直近の下川町自治基本条例、栗山町議会基本条例など、地域自治制度の確立に向け各地で助言を重ね、実績をえている。分権は国際分権・地方分権・市民分権と、三つの次元での実現を説く。
主な著書に『転換期の政治過程-臨調の軌跡とその機能』(総合労働研究所)、『現代自治の条件と課題』(公人の友社)、『神原勝の首長鼎談』(ぎょうせい)、『自治基本条例の理論と方法』(公人の友社)、『栗山町発・議会基本条例』(公人の友社)など多数。
第3講義 15:10~16:50
フィンランドの公共サービスにおける自治体間協力と町村合併の現状
山田 眞知子 (フィンランド国立社会福祉保健研究センター客員研究員)
2001年北海道大学大学院法学研究科博士課程修了(法学博士)。1972年より 2002年まで30年間フィンランド在住。その間にフィンランド国立社会福祉保健研究開 発センター、フィンランド国立研究開発基金などで研究活動を行う。2007年4月にフィンランドに帰国。フィンランドの社会政策、社会サービス、地方自治制度を中心に研究を行っている。
2006年~2007年にかけての研究テーマは、フィンランドの自治体組合制度、自殺予防政策、義務教育におけるスピリチュアル・エデュケーション、高齢労働者雇用政策、介護評価制度。
著書に『フィンランド福祉国家の形勢社会サービスと地方分権改革』(木鐸社 2006年) 、『働き方で地域を変える フィンランド福祉国家の取り組み』(公人の友社 2005年)、 共著『連合自治の可能性を求めて』(公人の友社 2006年)、共著『世界の介護事情』)(中央法規 2002年)、共著『高齢者福祉論』(高菅出版 2002年)など。
5月11日(金)[ 10:00~16:40]
第4講義 10:00~12:00
格差社会の民主政治 ―平等な市民社会をどう作り出すか
山口 二郎 (北海大学教授)>/li>
北海道大学法学部教授。アメリカ・コーネル大学、イギリス・オクスフォード大学留学。専攻は行政学。官僚機構への積極的批判で知られる。
常に論壇の第一線にあって政治評論を多く執筆。細川内閣前後の選挙制度改革、政界再編など『政治改革』の提言の総括をふまえて、活動。道政をはじめとした自治体行政、地方分権に関する発言も積極的に行っている。
政治腐敗は地方分権や地方政治の民主化の徹底でなくし、地方政府は分権の担い手として再出発をと説く。
第5講義 12:50~14:50
社会福祉制度改革と自治体の計画行政
平野 隆之 (日本福祉大学教授)
大阪市立大学大学院生活科学研究科生活福祉学専攻博士後期課程修了。自治型地域福祉の理論化を図るとともに、 地域経営の視点を含み込む地域福祉論の可能性を研究する。
地域福祉計画の策定が義務づけられる動向のなかで自治に結びつく計画理念を構想する。介護保険制度下における日本版コミュニティケアのあり方を、各地域における住民参加による地域共同ケア事業の調査を通して明らかにする。
著書に共著『社会福祉キーワード』 (有斐閣)、『地域経営と内発的発展』 (農文協)、『現代コミュニティワーク論』 (中央法規)など。
第6講義 15:00~16:40
地域の自立的経済発展と政策課題
小磯 修二 (釧路公立大学教授 地域経済研究センター長)
北海道開発庁・国土庁(現国土交通省)等を経て、1999年6月より現職。 北海道内の各地域の市町村や民間団体の活動支援など実践的な地域活動に携わる他、中央アジア地域等の途上国、移行国で地域開発分野での国際貢献活動にも従事。釧路湿原を抱える標茶町で、環境再生を目指す大学発ベンチャー企業カムイ・エンジニアリング㈱の設立、経営にも関わる。 国土審議会専門委員、社会資本整備審議会専門委員、北海道観光審議会会長、産消協働普及道民会議座長、北海道市町村合併推進審議会会長、北海道総合開発委員会員、釧路川流域委員会委員長他多数歴任。
視察オプション
奈井江町を訪ねて「自治」の先進的な取組みを視察
開催日時: 2007年5月9日
受付時間: 12:00~18:00(予定)
出発時刻: 12:45 出発(貸切バス)
集合場所: JR札幌駅北口ターミナル 「鐘の広場」
会 場 : 奈井江町 広域介護予防支援センター (奈井江駅より徒歩15分)
奈井江町は介護保険で空知中部地域連合を組織し、近隣市町との連携を進め、また国民健康保険・老人保険との連携を図ったほか、開業医の人達と共同で地域医療を支えるオープン ・開放型病院を作るなど、広域連携と地域医療の二つを確立しました。
まちづくり自治基本条例制定や情報公開など住民参加型の行政を進め、「子供の権利に関する条例」を作成。子供達が大人の社会に参加す ることにより、しっかりとした意見や責任を持つことを、権利の中から培っていく取組みを進めています。
市町村合併の是非を問う住民投票では中学・高校生の参加を試みるなど「住民本位」の地方自治を提唱しています。
医療・福祉の広域連携と、子どもと共にすすめるまちづくりを視察します。
特別講演「医療・福祉の広域連携と、子どもと共にすすめるまちづくり」
講師:北 良治 奈井江町長
●広域の保健医療・介護保険体制の構築について ●住民参加・子どもの権利条例で目指す町の夢 合併をしてもしなくても、厳しい行財政の中、近隣市町と緊密な協力関係をつくり上げ、行政改革を住民と進める奈井江町。 従来より介護保険・医療の広域連携など先進的な政策で知られています。 住民主体のまちづくりでは、子どもはまちづくりのパートナーとして、子どもの権利条例を策定し、住民投票では中・高生の意見も反映されています。 施設見学 奈井江町老人総合福祉施設「やすらぎの家」
福祉先進国のフィンランド共和国ハウスヤルビ町から学んだ様々なノウハウを活かし、1997年7月に完成した「特別養護老人ホーム」「デイ・サービスセンター」「在宅介護支援センター」の複合施設を見学します。
たくさんのご参加ありがとうございました
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